荷主企業から依頼を受けて、有償で運送業者を利用して貨物を運送することを貨物利用運送事業といいます。
貨物利用運送事業には第一種と第二種がありますが、この記事では第二種貨物利用運送事業許可の要件について細かく解説していきます。
第一種貨物利用運送事業の登録要件については↓のページを御覧ください。
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第二種貨物利用運送事業は、荷主と運送契約を締結して運送人として事業を行います。
輸送形態としては、海運・鉄道・航空による幹線輸送の利用運送と、幹線の利用運送に先行し接続するトラックでの貨物の集貨および配達を一貫して行う事業になります。
ドア・ツー・ドアで貨物利用運送事業を展開する場合は、第二種貨物利用運送事業に該当します。
第二種貨物利用運送事業は、幹線輸送とこれに接続する集貨および配達に対して、利用者に対する運送責任を的確に果たすなど、運送人としての適正な事業運営が行われることが要請されるため、第二種貨物利用運送事業許可の要件は、第一種に比べるとより厳しいものになっています。
許可の要件を大きく分けると以下の3つに分類することができます。
それでは順番に詳しく解説していきます。
事業計画の適切性として求められる要件は3つです。
これだけでは何を指しているのかよくわかりませんが、簡単に言ってしまえばしっかり実運送業者と運送委託契約が結ばれているかどうかということです。
第一種であっても申請の際に実運送業者との運送委託契約書を提出しますので同じですね。
ただし「貨物利用運送事業を円滑に遂行することができる」ことが求められていて、実運送業者についても許可要件の一要素となってくるため、契約相手にも一定の検討が必要になります。
実運送事業者との契約には、大きく分けて2つの方法があります。
まず海運・鉄道・航空それぞれの幹線輸送を担う運送事業者と、幹線輸送に接続するトラックでの集荷と配達を行うトラック運送事業者を契約相手として、それぞれ運送委託契約を締結する方法があります。
もう一つは、申請者が取得したい利用運送の機関(外航海運・内航海運・鉄道・国内航空・国際航空)に関する第二種貨物利用運送事業の許可を取得している運送事業者を相手方として契約する方法です。
「利用の利用」と呼ばれている利用運送の形態ですが、ポイントになるのは、自社と同じ利用運送の機関を取得していることが求められるということです。
例えば、第二種内航海運貨物利用運送事業許可を取得したい場合、委託先も第二種内航海運貨物利用運送事業許可を取得していないと「利用の利用」が成立しないので注意が必要です。
「利用の利用」の場合は、相手方が取得している第二種貨物利用運送事業許可の種類について気を付けましょう。
委託先の営業担当者と商談段階では同種の第二種貨物利用運送事業許可を取得しるという話だったが、契約締結段階になってから、第一種貨物利用運送事業の登録しか取得していなかったという事案が過去に複数ありました。
使用権限のある営業所(事務所、店舗)が必要ということですが、これも基本的には第一種と同様です。
実運送を行いませんので、当然ですが第二種だからといって車庫や休憩施設が必要なわけではありません。
営業所に関しては以下のようなルールがあります。
貨物を保管するための施設が必要な場合には、保管施設についても同様です。
保管施設は申請会社が所有もしくは賃貸で借り受けている物件がある場合は、事業計画に記載します。
貨物の保管を、業務で利用する運送会社に委託する輸送形態の場合は、「保管施設なし」で許可申請を進めることになります。
保管施設の有無は許可要件ではありませんので、実態の合わせた方法で申請を進めれば問題ございません。
貨物の受取業務を外部に委託する場合には、「貨物の受取業務を円滑に遂行することができるものと認められる受託者」に委託しなければなりません。
行政機関は、申請者が着地の受取業者を確保していることを、委託契約書から判断しますので、受託者とは契約書を取り交わしていないケースでは認められないことがありますので、どうしても委託契約書が必要です。
事業の遂行能力というのは、申請者について求められるもので、3つの要件が求められています。
第一種と同様に純資産が300万円以上であることが必要です。
純資産の計算方法も同じで、「(財産的基礎としての)純資産=(会計上の)純資産-創業費その他の繰延資産・営業権-総負債」です。
申請にあたっては直近3年分の貸借対照表(決算書)を提出しますので、これで証明することになります。
新設法人の場合には、設立時の資本金が300万円以上あれば、開始貸借対照表を提出してこれに代えることができます。
財産的要件は純資産で判断されるため、直近事業年度の貸借対照表上で純資産が300万円以上あるのであれば、損益計算書上で赤字の会社であっても許可申請を行えます。
第二種貨物利用運送事業許可では、組織についても2つの要件が求められています。
これだけでは漠然としていて、一体何が求められているのかわかりにくいと思いますので、少しだけ解説します。
第二種貨物利用運送事業の審査を行う国土交通省では、輸送モードによっては、貨物利用運送事業の責任者と指揮命令系統がどのようになっているのかも審査の対象にしています。
したがって、貨物利用運送事業の担当役員と、社内において貨物利用運送事業の担当部署がどこなのかが記載された組織図の提出が求められることがあります。
欠格事由に関しても、第一種と同様になっています。
「欠格事由」というのは、第二種貨物利用運送事業の許可を取れなくなってしまうような事情のことで、申請する法人の取締役・監査役といった役員、個人で申請する際には本人が一定の事情に該当すると許可がとれません。
具体的には以下のとおりです。
第二種貨物利用運送事業では集配事業計画についても一定の要件が決まっています。
なお、一般貨物自動車運送事業と利用運送事業の集配で車両を併用する場合などにはより細かいルールがありますが、複雑になるのでここでは紹介していません。
集配営業所についても、前述の営業所と同様のルールがあります。
そして、貨物の集配を行う地域を担当する営業所をそれぞれ特定する必要があります。
集配を外部に委託する場合には、受託者の運営体制も審査の対象となります。受託者が鉄道、航空又は海上貨物の集配のために必要な業務運営体制を有していることが必要です。
トラック運送事業者が第二種貨物利用運送事業の許可申請を行う場合は、自社車両で集荷や配達を行うケースが考えられます。
この場合は、集配や配達を担当する営業所の情報を集配事業計画に記載します。
ここまで紹介してきたような要件を満たすことができれば第二種貨物利用運送事業の許可を取得することができます。
第一種貨物利用運送事業の登録要件に比べると厳しいものになっていますし、なかなかわかりにくい部分も多い上、輸送モードによって、国土交通省へ提出書類の違いが異なってきます。
「第二種貨物利用運送事業許可を取りたいので専門家に相談したい」「許可申請手続きで失敗したくない」など、第二種貨物利用運送事業についてお困りごとをお持ちの事業者様は、行政書士法人シグマの第二種貨物利用運送事業許可申請サービスのご利用をご検討ください。
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