外国人貨物利用運送事業の承継について専門行政書士が解説

外航海運や国際航空といった国際貨物利用運送事業では、許認可の場面において、「邦人事業者」と「外国人事業者」という分類が行われていますが、ご相談の中で自社がどちらに分類されるのかがわからないというお悩みをお持ちの方も多いです。

これは相互主義と呼ばれる考え方に拠る分類ですが、実はこのどちらに分類されるかは、会社の吸収合併などの事業承継ができるかどうかが変わってくる重要なポイントです。

そこで、外国人事業者にはどのような事業者が該当するのか、どのような手続きが必要になるのかなどを、運送業専門の行政書士が解説します。

外国人事業者の定義

貨物利用運送事業法では、外国人事業者を次のいずれかに該当する者(もの)と定めています。

  1. 日本国籍を有しない者
  2. 外国又は外国の公共団体もしくはこれに準するもの
  3. 外国の法令に基づいて設立された法人その他の団体
  4. 法人であって、上記の1.~3.までに掲げる者がその代表者であるもの又はこれらの者がその役員の3分の1以上若しくは議決権の3分の1以上を占めるもの

よくある例として、日本の会社法に基づいて設立された法人であっても、次のいずれかに該当する場合は外国人事業者に該当します。

  • 代表者が外国人
  • 役員の3分の1以上が外国人
  • 出資者(議決権)の3分1以上が外国(法)人

私どものお客様であるフォワーダー様の中には、上記の全てに該当し、貨物利用運送事業では外国人事業者に該当しているケースが多いように思います。

事例1:外国人貨物利用運送事業者の吸収合併

外航海運に関する外国人貨物利用運送事業者を吸収合併し、その貨物利用運送事業を承継したいというケースです。

邦人事業者同士の合併であれば、第一種貨物利用運送事業と第二種貨物利用運送事業のどちらであっても、貨物利用運送事業法令に規定されている手続きを踏めば、貨物利用運送事業を承継することは可能です。

一方、外国人国際貨物利用運送事業者を吸収合併する場合は、吸収合併消滅会社が取得している貨物利用運送事業の許認可を承継することはできません

これは、外国人国際貨物利用運送事業には、邦人事業者のような吸収合併による許認可承継の規定が整備されていないからです。

そのため、吸収合併存続会社が貨物利用運送事業者ではなく、合併期日以降は吸収合併消滅会社が取得している外国人貨物利用運送事業を経営したい場合は、吸収合併存続会社は合併期日に間に合うように貨物利用運送事業の許認可を取得する必要があります。

吸収合併の目的が、消滅会社が取得している外航海運や国際航空といった外国人国際貨物利用運送事業の許認可である場合は、その許認可は存続会社へは承継できないので注意が必要といえるでしょう。

事例2:代表者兼100%株主である外国人の帰化

代表者の方が外国籍であり、その方以外の役員はおらず、外国籍である代表者がその会社の株式全てを保有しているケースです。

実際に私たちがお手伝いをしたケースでは、その方が外国籍のときに外航海運に関する貨物利用運送事業を取得したため、外国人国際貨物利用運送事業として事業を行われていました。

その代表者が日本国籍を取得した場合、貨物利用運送事業の「外国人事業者」から「邦人事業者」へ変更手続きが必要になりそうですが、貨物利用運送事業法令では外国人と邦人間の国籍変更に関する規定は定められていません

このケースでは、邦人事業者として国際貨物利用運送事業の許認可取得の申請を行い、新規に許認可を取得した後に、外国人国際貨物利用運送事業を廃業するという行政手続きが必要になるのです。

外国人貨物利用運送事業者の会社分割・事業譲渡・相続

貨物利用運送事業では、「邦人事業者」と「外国人事業者」では適用ルールが異なっています。

吸収合併以外にも、新設合併・吸収分割・新設分割・事業の譲渡・相続といった場面でも、外航海運や国際航空に関する外国人国際貨物利用運送事業を承継することはできません。

貨物利用運送事業法令で承継の規定が設けられていないからです。

したがって、貨物利用運送事業を組織再編する際は、相手方の事業者が「邦人事業者」なのか、「外国人事業者」なのかをはじめに確認する必要があると言えるでしょう。

私たちは、外国人事業者の関わる利用運送事業のM&Aなど事業承継に関するコンサルティングと手続きサポートを提供しておりますので、外国人事業者に関する利用運送事業の承継でお悩みの方はご相談ください。

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