この記事では、海上輸送ルートの追加を行った第二種貨物利用運送事業(内航海運)に関する事業計画及び集配事業計画の変更認可申請について、当法人が提供したサービスについて紹介しております。
お問い合せから業務完了後の書類お引渡しまで、どのような流れで進行したのかを時系列で整理してお伝えします。
Contents
今回のご依頼者様は、中部運輸局管内に本社と利用運送の営業拠点を置かれている企業様です。
過去に当法人へ第二種貨物利用運送事業(内航海運)の許可申請手続きをご依頼いただき、その当時より、年次の定期報告手続きや変更手続きをご依頼いただいておりました。
今般、荷主企業より許可を取得している別の海上輸送ルートにおいても貨物輸送業務の引き合いがあり、その輸送需要に対応するために、海上輸送ルートを追加するための事業計画の変更認可申請手続きについてご相談いただきました。
ご面談では、あらたに取得されたい海上輸送ルートと、そのルートの運送業務を担当する利用する運送事業者についてヒアリングを行いました。
通常、「ルートは決まっているがそのルートに対応する利用する運送事業者が未決」ということが多いのですが、今回のお客様は、既に利用する運送事業者の選定を進めている状況でした。
ご面談では、「仕立地」「仕向地」がどちらの港なのかを確認するとともに、対応する利用運送事業者が、実運送会社との直接契約になるのか、それとも、内航海運に関する第二種貨物利用運送事業者との契約、いわゆる『利用の利用』のケースになるのかを伺いました。
今回のお客様の場合、追加する海上輸送ルートは4航路となり、それに対応する「仕立地」「仕向地」をヒアリングしました。
また、その4航路を対応する利用する運送事業者は、内航海運に関する第二種貨物利用運送事業者である、との情報を面談時に確認いたしました。
委託先が第二種貨物利用運送事業者の場合、いわゆる「利用の利用」場合での変更認可申請を進行する際は、以下の点の確認が重要なると考えております。
第二種貨物利用運送事業には、輸送機関の種類として、「内航海運」「外航海運」「国内航空」「国際航空」「鉄道」の5種類があります。
内航海運での『利用の利用』の場合は、利用する運送事業者も、「内航海運」に関する第二種貨物利用運送事業許可を保有している必要があります。
海上輸送であっても「外航」では委託先にはなりません。
また、内航海運であっても第一種貨物利用運送事業登録を保有している場合は、第二種貨物利用運送事業での委託先には選定できません。
『利用の利用』の場合、委託先となる第二種貨物利用運送事業者の事業計画・集配事業計画に記載されている「仕立地」「仕向地」に、変更認可申請を行いたい「仕立地」「仕向地」が含まれている必要があります。
確認方法は、委託先より、国土交通省から許可または認可を取得している事業計画・集配事業計画を開示していただくのが手っ取り早く確実ですが、企業秘密を理由に、開示を拒まれるケースも散見されます。
「仕立地」「仕向地」の箇所だけを開示していただき、その他の事項は黒塗りの状態であっても開示していただけると、運輸局での審査が円滑に進むため助かります。
とはいえ、委託先が事業計画・集配事業計画の開示を頑なに拒むときは、変更認可申請の対象となる「仕立地」「仕向地」が、委託先の事業計画・集配事業計画に含まれているかだけを、事業者様には確認していただいています。
なお、委託先の事業計画・集配事業計画に、変更認可申請の対象となる「仕立地」「仕向地」が含まれていない場合は、変更認可申請書を提出しても認可処分にはなりません。
委託先が「仕立地」「仕向地」に関して、別途、変更認可申請手続きをし、先に変更認可処分が行われている必要があります。
事業計画・集配事業計画には、委託先となる第二種貨物利用運送事業者の情報を記載します。
この記載が国土交通省の事業者データベースに合致しているだけでは足りず、委託先となる第二種貨物利用運送事業者との間に運送委託契約が締結されている状況が必要です。
『利用の利用』での委託先との契約書には、仕立地での集貨業務・仕立地から仕向地への海上輸送業務・仕向地での配達業務に関する記載が求められております。
また、貨物の保管を委託する場合には、保管業務が、輸送業務に加えて委託業務の内容として記載が必要になります。
電子契約の場合は収入印紙の貼り付けと消印は不要ですが、書面契約の場合は、『利用の利用』での委託先との契約は通常、基本契約書の体裁になるため、収入印紙(4000円分)の貼り付けと消印が必要になります。
委託先との運送委託契約書が課税文書に該当するかどうか悩ましいときは、顧問税理士や管轄税務署に照会する方法で解決するのが望ましいと考えます。
海上輸送ルートを追加する変更認可申請には以下の書面が通常、必要になります。
申請先は、営業所を管轄する地方運輸局になります。
今回のお客様の場合は、営業所が中部運輸局管内にあるため、申請先は中部運輸局海事振興部貨物・港運課です。
申請書類の提出部数は、正本1部と事業者様控え1部の計2部です。
中部運輸局では、本申請前に申請書類のすべてのページを運輸局の担当官へメールで送付することで、事前チェックを受ける必要があります。
事前チェック後、担当官より本申請の指示がありましたら、申請書を実際に提出いたします。
申請方法は郵送申請も可能ですが、今回は、当法人の行政書士が名古屋市内にある中部運輸局の窓口に出向いて申請書を提出いたしました。
運輸局において申請書が受理された後は、運輸局内の審査・決裁へと進みます。
この審査・決裁の標準処理期間は、2~3ヶ月となっています。今回の変更認可申請は、標準処理期間よりも早く認可処分がされました。
海上輸送ルートの追加に関する変更認可申請手続きは、認可書を受領したら終わりではありません。
新しい海上輸送ルートに対応した運賃料金の変更届出手続きを行う必要があります。
変更した運賃料金の種類と適用方法を記載した書面を運賃料金変更届出書の鑑に添付し、認可申請と同じ窓口である中部運輸局へ提出する方法で、運賃料金変更届出手続きを行います。
以下の書類をフラットファイルに綴じたものをお客様への納品することをもちまして、内航海運に関する事業計画・集配事業計画の変更認可申請手続きは完了となりました。
海上輸送ルートを追加する事業計画及び集配事業計画の変更認可申請手続きは、必要とする書類の枚数はそこまで多くないため、難易度を低く感じられる事業者様もいらっしゃいます。
しかしながら、運輸局へ提出する書面として適切かどうかの確認など、担当行政書士は、貨物利用運送事業法令の知識とこれまでの経験に則って、複雑な判断を行い変更認可申請を進行しております。
一見簡単そうに見える手続きかもしれませんが、許認可申請のプロだからこそ、お客様には、その大変さがわからないように伴走しているのです。
手続にご不安を感じている事業者様は、私たちのように利用運送の手続きに関して実績豊富な行政書士事務所への支援依頼を検討してみてはいかがでしょうか。
※この記事で取り上げている審査基準や審査運用は、変更認可申請当時のものであり、個別の事情によっても取り扱いが異なることがあります。本記事を参照に自社で変更認可申請手続きを進められて、申請者に不都合・不利益が生じた場合であっても当法人は責任は一切負いかねます。
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お悩みについてすぐにお答えできるので、お電話でのお問い合わせをご利用いただく方も多いです。
お電話の際には「利用運送業のホームページを見た」とお伝えください。
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※We are very sorry, but we are available only in Japanese language.
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